「特定化学物質•四アルキル鉛等作業主任者」技能講習を受講してきました
令和5年4月22日(土)・23日(日)に「技術技能講習センター」が行なっている「特定化学物質•四アルキル鉛等作業主任者」技能講習を東京都板橋区にある「板橋区立文化会館」で受講してきました。
費用は、2日間で、13,580円(受講料11,600円+テキスト代1,980円)でした。
講習初日は、9時20分受付開始で、9:50〜17:40までの講習時間で、2日目は10:00〜18:50で最後に修了試験を行うという流れでした。
受付は4階の大会議室入口前で行っていて、検温・手指消毒をして係員に、写真を添付した書類と資格証を統合する方は資格証を提出して、受講票に書かれた番号と同じ番号の机に座るスタイルでした。
講義は、初日は1人の講師の方で、2日目は2人の講師の方で講義を進めていきました。
テキストのページを行ったり来たりしながら、パワーポイントを使って進めていく感じでした。
試験に出る大事な場所は線を引くように教えてくれて、試験箇所等の復習もしっかりとしてくれました。
室内は、エアコンが故障しているとのことでしたが、室温はちょうど良い感じでした。
トイレの数が少ないとか不便な所もありましたが、どことなく昭和の雰囲気が漂う施設は、個人的に好きな感じでした。
座席は、長い机を2人で使うタイプで、座席間も程よく離れていて通路も広くて使いやすかったです。
喫煙する場合は、1Fの指定場所でするようにとのことでした。
■講義内容・時間割
基本的に、60分講義の10分休憩の繰り返しで、昼休みは、50分間でした。
「特定化学物質•四アルキル鉛等作業主任者」技能講習は、「技術技能講習センター」が行なっている講習の中で一番合格率の低い講習となっているそうで、しっかりと講義を聴講して1回で合格してくださいとのことでした。
合格率の一番低い時は、3割の人が不合格になるそうです。
■修了試験
修了試験は、20問の四肢択一で、各部門40%以上、全体で60%以上正解なら合格です。
試験時間は、30分間です。
問題は、講義をきちんと聴講して重要箇所に線を引いていれば、そこから出題されていましたが、やや難しい印象でした。
重要箇所の赤線を引く場所もいつもより多く、化学物質の名前と病気の関連など覚えにくい名前が多くて少し苦労しました。
試験が終了したら、問題用紙と答案用紙を前にいる係員に渡して教室や廊下で静かに待機です。
全員が試験を終え、教室に戻り採点が終わるのを待って、先に不合格の方の番号が呼ばれてロビーに移動し、次に合格している人が番号順に呼ばれて、修了証をもらって講習終了(18:25頃)でした。
不合格者は、合格者が資格証を渡されてる間ロビーで待機して、合格者が帰った後、同じ問題で再試験を行うとのことでした。(再試験は1回のみ)
不合格率が高い技能講習とのことでしたが、今回は80名前後の受講者で7名ほどの方が再試験となっていました。
再試験も不合格の場合は、3,000円で再受講とのことでした。
■赤線箇所まとめ(忘備録用)
◆1日目
P138 粒子物質は、粉じん(ダスト)、ヒューム、ミストに分類される。
P145 より有害性の少ない他の物質に転換する(原材料の転換)
複数の方法を組み合わせて実施する方が少ないコストで高い効果を得られる
P154 特化則では、危険の大きい作業場所に局所排気装置を設ける場合は、囲い式を使用
ベンゼン等を溶剤として取り扱う作業場所
P158 囲い式フードの排風量は開口面積に比例するので、開口面を小さくした方が良い
P180 第1類物質を製造するには、予め厚生労働大臣の許可を受けなければならない
P181 第3類物質を製造し、または取り扱う設備では移動式以外のものを「特定化学設備という
P182 特定化学設備を設置する屋内作業場〜安全な場所に避難することができる2以上の出入口を設ける
特定化学設備および付属設備〜2年以内ごとに1回、定期に自主検査を行うこと
P208 不良な環境をそのままにして、はじめから労働衛生保護具だけに頼るのは誤り
P212 防塵マスクは、粒子状物質濾過材で除去する呼吸用保護具
厚生労働大臣または登録型式検定機関の型式検定に合格したものを使用しなければならない
酸素濃度が18%未満の酸素欠乏、あるいは酸素濃度が分からない作業場では、濾過式呼吸用保護具は使用できない
P221 粒子捕集効率 高いものほど良い、吸気・排気抵抗 低いものほど良い
P229 有機ガス用(黒)、アンモニア(緑)、硫化水素(黄)、ホルムアルデヒド(オリーブ)
P248 リフラクトリーセラミックファイバー等を、防護係数が100以上であることが確認できる電動ファン付き呼吸用保護具と同等の性能を最低限有する呼吸用保護具を使用する
P258 四アルキル鉛用の化学防護衣類については、四アルキル鉛が付着した場合に直ちに判別できるように白色が望ましい
P261 ニトリル手袋は、透過時間が短いので、有機溶剤の取り扱い作業には不適切
P264 化学防護服を使用する時は、熱中症対策品を使用するなど暑熱対策を実施する
◆2日目
P16 発散する量を抑えるか、換気等の方法で空気中の濃度を低く抑えることが重要
P17 有効な保護具を使用させることが重要「作業管理」
P30 有害物が体内に吸収される経路としては、呼吸器を通って吸収されるものが最も多い
P31 「許容濃度」1日8時間週40時間働いても問題がない濃度
P47 組織性窒息(化学窒息)・・・一酸化炭素
ホルムアルデヒド・・・喘息を引き起こす
塩化ビニル・・・肝臓ガン、指端骨溶解症(塩素化ビニフェルではない)
溶接ヒューム・・・呼吸器系ガン、神経系障害
コールタール・・・皮膚ガン
ベンゼン・・・白血病
ジクロロプロパン・・・胆管ガン
カドミウム・・・腎臓ガン(肝臓ガンではない)、骨が柔らかくなる、黄色環
P54 特殊健康診断 保存期間5年
ジクロロベンジジン・クロム酸(特別管理物質) 30年間保存
P66 熱傷の程度
第1度 赤くなりヒリヒリ痛む(表皮のみ)
第2度 水ぶくれ(真皮まで)
第3度 痛みはほとんど感じない(皮下組織まで)
P97 ジクロロメタン(第2類)
P311 作業主任者
作業の方法を決定し、労働者を指揮すること、装置を1月を超えない期間ごとに点検すること
P362 定期自主検査を行った時は、3年間保存しなければならない
P363 測定箇所・測定結果・測定を実施した者の氏名
P369 特別管理物質を製造し 〜 これを30年間保存する
■講習会場周辺の駐車場
会場となっている「板橋区立文化会館」の駐車場は、半日駐車して1,000円、1日駐車して3,000円と周辺相場よりやや高い感じでした。
自転車やバイクは、施設利用者は無料で駐輪できるとのことでした。
「特定化学物質•四アルキル鉛等作業主任者」とは
「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者」とは、特定化学物質を扱う工場等で、作業者が特定化学物質に汚染されないよう作業環境の改善、作業方法などを指導したり、局所排気装置や除塵装置などの設備の点検、保護具使用の監視などを行います。
■受講資格・受講内容
●受講資格は、特になし
12時間/2日間(修了試験時間を除く)
① 特定化学物質及び四アルキル鉛等による健康障害及びその予防措置に関する知識(4時間)
② 保護具に関する知識(2時間)
③ 作業環境の改善方法に関する知識(4時間)
④ 関係法令(2時間)
⑤ 修了試験
まとめ
「特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者」は、比較的簡単に取得できる上、「特定化学物質作業主任者」と「四アルキル鉛等作業主任者」の2つの作業主任者の資格が得られ、就職や転職に有利に働く資格の一つです。
「特定化学物質」というと、まるで猛毒のような印象を受ける人がいるかもしれませんが、実際はいろいろな工場で一般的に使われています。一方で、「特定化学物質作業主任者」は必置資格のため、求人の応募資格欄に「特定化学物質作業主任者の資格取得者は優遇します」という一文を見つけることもあるかもしれません。
特定化学物質を扱う工場で働いている人はもちろん、これから働こうと思っている人も、資格を取得することで仕事に対する理解が深まるので、興味のある人は、講習に参加してみてはどうでしょうか?
コツコツS2000LIFE! 型枠支保工の組立て等作業主任者 技能講習
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